秋学期最後の授業紹介は、3回生 栄養教育論実習Ⅱです。
春学期の栄養教育論実習Ⅰでは集団を対象としていましたが、秋学期の栄養教育論実習Ⅱでは個人への栄養教育のあり方や方法について学びます。
自らが対象者および教育者となってロールプレイングを行い、教材を用いた模擬教育を体験します。
対象者は妊婦や生活習慣病など様々な方を想定し、教育者はその方の健康・栄養状態、食行動、食環境等に関する情報の収集・分析を行い、栄養教育をしていきます。
例えば、対象者がどんな食事をしているのか調べるには、どうしたら良いでしょうか?
ごはんを食べました、と言われても、お茶碗に少し盛っているものと、山盛りではカロリーが大きく違いますよね。
何グラム食べましたか?なんて聞いても、なかなか答えられないと思います。
そこで実物大の料理カードを見せて、これくらいですか?と尋ねると対象者の方もイメージがつきやすく、答えやすくなります。
このカードの裏面には栄養価も載っているので、面倒な栄養計算も不要。
料理カードを使って、バランスの良い食事を提示することもできます。
そして栄養教育で大切なのはカウンセリング技術。
一方的に話をするだけではダメ。
相手の話をしっかりと聴いて、質問には「はい」「いいえ」だけで答えが済んでしまう質問だけでなく、自由に答えられる質問を投げかけて、相手の想いを引き出すのも大事です。
栄養教育を行うためには
・なぜ検査値に異常が出ているのか
・何が疾患と関係するのか(生化学、解剖生理学、病理病態学など)
・どういう食事や食事療法が必要か(応用栄養学、臨床栄養学)
・食生活を変えてもらうためにはどういうサポートができるか(栄養教育論、公衆栄養学)
というように
1〜3回生で学んだあらゆる知識を必要とします。
そしてそれを分かりやすく伝えることが大切です。
簡単なようにみえて、奥が深い実習でした。